家紋を「知って」「使って」「伝えて」もらう
そんなきっかけとなる1日に
トークショー・ワークショップ・展示などを通して、
家紋をより身近に感じていただきたい
千年の歴史を持つ日本文化である家紋。 平安時代に宮中に出入りした牛車に入れられた車紋より始まったといわれます。 公家に広がり、武家が使い始めたことから多様性が増し、江戸時代には芸能人が使い始め、庶民にも広がりを見せていきます。近代以降は着物に家紋を入れることが当たり前となっていき、どの家にもあるもの、とまでいわれるようになってきました。 しかし今では家紋といえば戦国武将など歴史的な著名人のアイコンだけが目立つ印象です。
多くの方が自分の家の紋の存在を知らない状況ですし、自分の家に家紋があるということも想像すらされない方も多いです。 家紋には必ず「守る」という意味があり、家、子孫、血族、氏族を守っていくという意味が込められているのです。 現代では「個」が重要視され、その結果、「家」という概念が徐々に薄れ、家族や親族との付き合いが希薄となってきています。 家紋には守る力があります。繋ぐ力があります。
文化というものは「知って」「使って」「伝えて」いかなければ衰退します。 家紋フェスでは 「知って」頂く為の「家紋講座」、「使って」頂く為の「ワークショップ」、 などのコンテンツを軸に家紋の裾を広げていくことを目的としてゼロから始まります。 そしてスタッフを含め参加して下さった方々全てが「伝えて」頂けることを切に願っております。
家紋研究家 森本 勇矢
古来より受け継がれる日本の文様を一点に凝縮した紋。
それは先祖から受け繋がれる思いを形にして現代の私たちに伝わっています。長い年月を経て完成されたデザインは日本だけでなく世界的にも評価される素晴らしいものです。世界に誇れるデザイン性を持つ紋は家紋として日本国民のほとんどが持っています。
ですが悲しいことに現代では家に紋があることを知らない人が増え、家紋の需要そのものが減っています。数年前からの戦国武将ブームや幕末志士のブームから家紋に対する興味を抱くようになった方々もおられ、また家紋を入れたグッズなども増えてきました。家紋が最も華やいだとされる江戸の元禄時代の頃、とまではいかないにしても、家紋を一人でも多くの方に知って頂きたいと思います。家紋フェスでは「家紋に関することであれば何でもやっていこう!」というコンセプトでやっていきたいと考えます。
家紋フェス実行委員長 家紋研究家 森本勇矢